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第6回 原人型世界認識(3)

サルとヒトを別ったもの ~意識出来る能力~

 サル(新・旧世界ザル)・チンパンジー(類人猿)・ヒト(原人~ホモ・サピエンス)などの「霊長類」の脳は、大きく別けて3つの器官に分かれます。表面から下にいくほど、その器官の起源は古くなります。
 容積の大部分を占めるのは「大脳」。その下にちょこんとぶらさがっているのが「小脳」。それら「大脳」「小脳」を下から支えるのが「脳幹」。
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 最も古い「脳幹」は、動物の生命維持にとって欠かせない根本的な働きを受け持っています。視床、視床下部、脳下垂体、中脳、延髄などから構成され、呼吸や体温の調節など、生命活活動の中枢を受け持っています。
「小脳」は動作の記憶や平衡感覚など、身体感覚をコントロールする役割を受け持っています。動物では、特に鳥類において「小脳」は発達しています。
「大脳」は大きく別けて3つの層に分けられます。
 一番古層にあるのは「大脳基底核」で、身体がスムーズに動くように調節する役割を担っています。たとえば、身体が徐々に動かなくなるパーキンソン病は、この大脳基底核の障害によります。
 中間に位置するのは「大脳辺縁系」。扁桃体、海馬などからなり、本能や情動などに関する働きを受け持っています。哺乳類の多くはこの大脳辺縁系に即して生活しており、この部位は「動物の脳」といわれることがあります。
 そしてそれらを包み込むのがご存知、「大脳皮質」で、視覚・聴覚などの五感認識や思考を司る働きを受け持っています。大脳皮質は、特に霊長類において発達しています。大脳皮質は中心で左右に割れており、それがいわゆる右脳・左脳に当たります。分離した右脳と左脳は、割れ目の底の「脳梁」と呼ばれる交通繊維でつながっています。この脳梁が、右脳の働きと左脳の働きを結びつけています。
 脳の各部位が感覚したものを、大脳皮質がいかに統合し、処理するか――。この働きの差に、サルとヒトを別ったものがあります。人間をはじめて人間とならしめたのは大脳皮質の独自の発達である、ということはどなたも異論のないことでありましょう。では、その具体的な働きとはなにか。遥か数百万年前に、類人猿と人間を別けた大脳皮質の具体的働きとは何か――。
 それは「意識出来る能力」である、と僕は考えます。「感受する外界を、はっきりと意識出来る能力」です。

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